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クラウドソーシングとは?|その意味とメリット・デメリットを徹底解説

新型コロナ禍、『働き方改革』の影響も追い風になり、副業する人やフリーランスとして活躍する人が増えるなど、ここに来て個人の働き方が大きく様変わりしてきています。企業にとっても、雇用と外注の選択肢が増え、ビジネス環境に大きな変革をもたらしています。このような環境下、耳にする機会が増えてきているのが「クラウドソーシング」です。この記事では、クラウドソーシングの概要や現状およびクラウドソーシングを活用するメリット・デメリットを詳しく解説します。

1.クラウドソーシングとは

クラウドソーシングの概要

クラウドソーシングとは、不特定の人や群衆を意味する「crowd(クラウド)」と、業務委託を示す「sourcing(ソーシング)」を組み合わせた造語です。

企業が自社の業務を不特定多数の人に業務委託する業務形態が「クラウドソーシング」です。その特徴のひとつはインターネットを活用している点にあります。クラウドソーシングの一般的なモデルは、発注者がインターネットを介してアウトソーシングしたい業務の応募者を募り、選定・依頼するというものです。固定費の高い正社員や派遣社員を雇用するのではなく、必要なときに必要な人材(スキル)を安価で気軽に調達することが可能なことからクラウドソーシングを活用する企業が増えています。

クラウドソーシングの歴史

クラウドソーシングという言葉が使われはじめたのは2000年代に入ってからです。

クラウドソーシングはアウトソーシングの一種ですが、急速に普及した背景には従来の雇用(終身雇用)や外注方法(アウトソーシング)に問題点があったからです。

元来、企業は専門性を持った人材を確保・雇用することで、ビジネスにおける優位性を構築してきました。しかし一方で、人材の確保が困難であることや採用や維持費にコストがかかるというデメリットがありました。これを解決する方法として、業務の一部を切り取り外部に委託するアウトソーシングという考え方が広がりました。ただ、特定の人材のアウトソーシングとなる点でコスト面やスキルのミスマッチが起こりやすい、という課題がありました。

そこに登場したのがクラウドソーシングです。ネットの発展により業務委託者を公募することが可能となり、業務内容に見合った費用で最適な労力・スキルを確保できるようになってきたのです。

また、クラウドソーシングは地方に住居しながら都市部の仕事を受注するなど、労働者にとってもライフスタイルに合わせた働き方を実現できる新しい雇用形態として昨今、注目を集めています。

日本では2008年に初めてクラウドソーシングのマッチングサイトを運営する会社が設立され、その後も多くのクラウドソーシング運営会社が登場しています。

2.クラウドソーシングのメリット・デメリット

クラウドソーシングにおいては、専門性の高い業務から細かな作業まで様々な案件が取り扱われています。仕事を依頼する企業と仕事を受ける受注者のそれぞれに、どのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。

企業側のメリット

(1)自社にない専門知識やスキルを活用できる

企業がクラウドソーシングを利用する大きなメリットの一つは、自社が持っていない人材(専門知識やスキル)を活用できることです。スキルを持つ人材を雇用したいと思っても、即採用できるとは限りません。その点、クラウドソーシングを利用すれば、自社が求める人材を早期に見つけて仕事を依頼することが容易になるため、ビジネス(事業)を展開しやすいというメリットがあります。

(2)コストの抑制・削減

従業員を増員した場合には毎月の給与だけでなく、社会保険や厚生年金など、福利厚生面で様々なコストが発生します。その点、クラウドソーシングでは必要なときに必要な分量の仕事(業務)を委託できるため、人材コストの抑制や削減につながり、また、人材育成にかかる教育コストや人事管理の手間も削減すことが可能になります。

(3)組織のスリム化

企業の成長が停滞する要因の一つに組織の複雑化があります。例えば、様々な部署やプロジェクトが同時に立ち上がることで人員配置が変わると、指揮命令系統が煩雑になり、事業(ビジネス)を推進するスピードが遅くなるケースがあります。その点、クラウドソーシングを利用すれば必要な仕事(業務)を効率的にアウトソーシングできるため、組織(企業)のスリム化に繋がります。

(4)従業員のワーク・ライフ・バランスの実現

長時間労働問題がクローズアップされている昨今、従業員のワークライフ・バランスの実現は多くの企業が抱えている課題です。そこで、コア(核)となる業務は社員が行い、それ以外の仕事をクラウドソーシングするなど業務内容を見直すことで、社員の負担を軽減することが可能になります。その結果として社員のモチベーションやパフォーマンスがアップし、組織(企業)の成長を促すメリットが期待できます。

(5)スタートアップに活用できる

経営は「ヒト・モノ・金・情報・時間」で成り立っています。個人が起業したり、企業が新規事業を立ち上げる際には、人材と資金の確保が大きな課題となります。十分な人材と資金を確保できない場合、経営や事業を軌道に乗せるまでに時間がかかる懸念が浮上します。その点、クラウドソーシングを利用すれば、企業経営や事業推進に必要な人材を瞬時に集めることが可能になり、人材コストを抑えながら事業を立ち上げることも可能です。

企業側のデメリット

(1)社員の成長機会が失われる

クラウドソーシングは企業にとっては使いやすい人材サービスですが、外部のスキルばかりを活用していると、結果として自社人材(社員)の成長機会が失われるデメリットが生じます。また、自社にノウハウを蓄積できないリスクもあります。そこで、クラウドソーシングを利用する際には、人材(社員)育成の将来的な影響について慎重にメリット・デメリットを検討する必要があります。

(2)自社ノウハウの流出リスク

クラウドソーシングで依頼する業務内容によっては、自社の技術やノウハウを開示するケースも出てきます。そこで、注意したいのは自社ノウハウの流出です。自社のノウハウが流出するということは、自社の強みを失うことになりかねません。クラウドソーシングを利用する際には、どこまでの自社のノウハウを外部に開示するかを事前に慎重に検討する必要があります。

(3)活用できる業種やサービスが少ない

クラウドソーシングではインターネットを通して仕事を受発注するため、IT・情報システム関連など、一部の業種やサービスに集中する傾向があります。クラウドソーシングを利用しようとしても、自社が求めるサービスや人材を探すのが困難なケースもあります。

受注者側のメリット

(1)ライフスタイルに合わせた仕事ができる

クラウドソーシングで仕事を受注している人たちの多くが、個人のライフスタイルに合わせた働き方を実現しています。例えば、子育てや介護のために外で働くことが難しい場合でも、「手が空いたときだけ仕事ができる」など、時間と場所に縛られない働き方が可能です。

(2)副業がしやすくなる

昨今では「働き方改革」が推進され、副業を認める企業が増加傾向にあります。クラウドソーシングにおいて会社の休日を利用して仕事をすることも可能なため、会社員であっても副業への挑戦が可能です。

受注者側のデメリット

(1)収入が不安定

クラウドソーシングの受注者にとって大きな悩みとなっているのが収入が不安定なことです。単価が安い仕事が多かったり、仕事をコンスタントにに受注できないこともあり、安定的な収入が得にくい環境はデメリットといえます。

(2)外部の信頼を得にくい

クラウドソーシングを主な収入源としているフリーランスは、一般的な会社員と違って外部の信頼を得にくいというデメリットもあります。銀行などの融資を受けにくかったり、大手企業から仕事を受けることが難しいといったデメリットが挙げられます。

3.クラウドソーシングを利用する際の流れ

クラウドソーシングでは、仕事の依頼や契約、依頼物の納品や検収、支払いをすべてインターネット上で行うことになります。クラウドソーシング運営会社が提供しているクラウドソーシングサイトを利用するのが一般的で企業などの発注者側が利用する場合には、以下の流れとなります。

  1. クラウドソーシングサイトに登録する
  2. クラウドソーシングサイト上に、依頼したい業務内容を提示して公募する
  3. 応募者からの見積りを検討する(業務の対価をあらかじめ提示したうえで募集することも可能)
  4. 業務を依頼する人を選定する
  5. 業務の代金をクラウドソーシングサイトに預託する
  6. 納品物の検収をする(修正がある場合は再納品を依頼することも可能)
  7. 検収完了後、クラウドソーシングサイトから受注者(クラウドワーカー)に代金が支払われる
  8. 発注者、受注者の相互評価を行う(相互に評価することで、品質や評価の高い受注者や企業を識別することが可能)

この他、キャッチコピーやロゴデザインなどを公募し、複数の提案の中から気に入ったものを選んで採用者に代金を支払う仕組みもあります。

4.クラウドソーシングが果たす役割は今後さらに大きくなる

労働人口の減少や人材の流動が進む中、クラウドソーシングの需要は今後ますます高まっていくと想定されます。また、働き手(労働者)の多様な働き方の実現や都市部と地方エリアにおける所得格差の是正という観点においても、クラウドソーシングが果たす役割は大きなものになっていくことでしょう。

今後はクラウドソーシングを活用できる業種がもっと広がり、企業と労働者(働き手)の選択肢が増えることが期待されます。クラウドソーシングを活用する際には、そのメリット・デメリットをしっかり把握したうえで、自社に適したクラウドソーシングを慎重に検討して導入することが重要なポイントになるかと思います。

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